#25 俺の物




「トグサ」
 鍵を開けて名を呼ぶと、薄暗い部屋の中でちゃりんと鎖の鳴る音がした。
「いい子にしてたか?」
 明かりをつけて部屋の中に踏み込むと、部屋の隅にうずくまったトグサが逃げようとする。
  「無駄だって。いい加減覚えろよ」
 トグサの首に巻かれた黒い革の首輪に付けられた鎖は、壁に取り付けられたフックに繋がっている。
 鎖にある程度の長さは持たせてあるが、とても逃げられるほどの長さはないしバトーにそれを許すつもりは毛頭ない。
 近づいて壁の鎖を手に取ると、床にうずくまるトグサの身体を引き起こした。
「そんな顔したって、ダメだぜ」
 誰も知らないセーフハウスに、トグサを攫って閉じ込めた。こうでもしなければ、トグサはバトーの物にならないから。
 自由を奪われ閉じ込められてなおバトーをきつく睨みつけてくる眼差しも、潤んで目尻に涙を溜めていては普段の迫力はない。
 衣服を剥ぎ取り、電脳を封じ、ありとあらゆる方法でバトーが嬲っても、トグサの抵抗は止まなかった。
「…そろそろ、諦めろや」
   普段なら罵詈雑言を飛ばしそうな口には口枷を嵌めてある。監禁当初にトグサの口撃に閉口させられたバトーが与えた罰だった。
 罰はもうひとつあった。出掛ける前にバトーのものほどではないが、相当に大きな玩具をトグサの体内に押し込んでおいた。もちろん勝手に達することが出来ないように性器の根元は紐でくくってある。たっぷり半日は放置しておいたから、相当堪えたことだろう。
「俺の物になるなら、たっぷり可愛がってやるぜ?」
 涙と涎で濡れたトグサの顔を撫でながら、バトーは囁く。しかしトグサはふるふると首を振った。
 この期に及んでまだ我を張るトグサに暗い情熱を掻き立てられるのを感じながら、バトーは嫌がってもがくトグサを抱き寄せた。
「…じゃあ、また最初からやり直しだな。覚悟しろよ?」
 トグサの手に嵌めた手枷をまとめて壁のフックに引っ掛けると、壁に押し付けるようにして背中から抱きすくめた。
   





『俺の物』というより、『監禁』のほうが良かったでしょうか(苦笑)
 鬼畜ネタはあまり好きじゃないんですが、愛情が暴走したゆえのご無体ということで。




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